2003年11月1日(土) 今日のマレーシア 補足
10月31日(金) マハティール前首相と夫人のシティ・ハスマさんの
ジョイント記者会見
(M = マハティール前首相 夫人= マハティール夫人)
【質問】 このあとどうされる予定ですか?
M「成り行きに任せます。もちろん私の経験のいくつかを書き留めようと思います。人々にとって役に立つことがあるかも知れないので」
【質問】 あなたには、もっとばんばん発言してほしいという期待があります。実際、ご退任後にもいっぱい発言するとご自身で言われたことがありますが、どうされますか。
M「状況によります。私に演説してほしいと多くのお招きを受けておりますし、場合によっては忌憚のない私の意見を言うつもりです」
【質問】 まず明日、一番に何をされますか?
M「明日海外旅行に出て少し休むことができたら、と思っています。行き先は聞かないでください。(笑い) ただ、休みたいと思います」
【質問】 我々(報道陣)へのアドバイスは?
M「(笑って)事実に基づいて誠実に報道してください。自分達の主張を持たず、人々を愚弄せず、好ましくないやり方で自分達の主張を擁護したりしないでください。事実でないことを書いたり、人々を傷つけるような不正確な記事を書いたりしないことです。書かれた人々はあなた方の記事に対抗する立場にはありませんから」
【質問】 多くの人々があなたのご退任を淋しく思っています。彼らになにかひと言お願いします。
M「私も淋しい。しかし事実として22年間首相をやってまいりました。長かったと思います。もうバトンタッチしていい時期です。もちろん私はまだ働けます。病気とかそういったものではありません。そのことを神に感謝します。しかし、この国にとって、様変わりすることは良いことだと思います」
【質問】 (夫人に)今、どんなお気持ちですか。またこれからのご予定は?
夫人「ほっとしております。22年間お貸ししていた主人を私に返してくださって、この国と国民の皆様に感謝いたします。前よりも家族で一緒にいられることが多くなると思います。私の活動についてですが、少し休んだ後、色々な活動を取捨選択しなければならないと思います。私はもはやマレーシアのファースト・レイディではなくなり、ダトゥ・スリ・エンドン(*注1)が引き継がれます。海外のお友達から要請がありますので、いくつかの国際機関には残ると思います」
【質問】 ドクター・マハティール、あなたの注目に値する特徴のひとつは、厳しい時、特に経済危機やアンワル・イブラヒム問題(*注2)の時にいかに心を静め、気持ちを落ち着かせていられたか、ということです。なぜそんなにいつも冷静でいられるのですか。その秘訣を教えてくださいませんか?
M「ある意味で、私は小さい頃から自分の感情をコントロールする術を知っていました。前に言いましたが、私は犬が怖かったのですが、ある日もう怖がらないようにしようと決めました。ただ走って逃げるのをやめ、振り返って犬を見つめました(怖さが消えました)。自分の感情を抑制しようとすることについては……秘密を人に言いたいという欲望、自分が秘密を知っているんだぞということをひけらかしたい欲望、これはものすごいプレッシャーです。普通、自分がいかに知っているかを人に言いたいものですが、私はそれを抑えなければならない。今までの人生でずっと私は自分の感情を抑えてきました。もちろん時には取り乱したこともありましたけど。残念ながら。
しかし、危機に瀕したら、それに対処する唯一の方法は、冷静に見て、それを克服する方策を見つけることです。もちろん、私は外見はとても冷静に見えても、頭の中では物事がとてつもない速さで回っています。四六時中考えていますから。人が私のことを冷静だと思っていようがいまいが、時々私はそんなに穏やかではありません」
【質問】 (夫人に)それについてどうお考えですか?
夫人「ええ、主人は難題に冷静に立ち向かう人だと思います。この人がやっていることは、常に問題を分析し、原因は何かを見極め、問題解決に立ち向かうことです。記者さんがおっしゃったように主人は外見はとても冷静に見えますが、そうでなかったことが2回ありました。血走った目をして、普段の夫ならしないような行動をして(怒りを)表しました……。とてもストレスの多かった頃のことです。
夫が穏やかなのを見るのは、頭を枕に乗せて眠っている時だけです。この時だけは本当に穏やかです。夫が眠っているのを見て私は、これは正しいことなんだと実感いたします。彼は退任すべきだと。時を得たんだと。みなさまに感謝いたします」
(以上) 11月1日 New Straits Times / Nation
(*注1) ダトゥ・スリ・エンドン 新首相ダトゥ・スリ・アブドラ・アーマド・バダウィ夫人。 「ダトゥ・スリ」は称号
(*注2) アンワル・イブラヒム 前副首相で1998年に解任、逮捕。当時のマ首相に対立していた。
「今日のマレーシア 2003年11月」に戻る