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| 2001.07.21 |
| 7月12日昼、クアラルンプール国際空港から北西に向かって旅立った。行き先は英国。目的はクマさんの私用。 13日の金曜日にさっさと用事を済ませて14日と15日は両日フリー。しかし、ホテル宿泊料金世界一を誇るロンドンで4泊する身には、サイフがさむい。 13日に移動に使った国鉄の急行料金が、金曜日特別料金とかで通常の2倍(そんなの聞いてないよ〜)。前日に換金したポンドの現金がほとんどなくなってしまった。スーパーでサンドイッチ一個と飲み物一個調達しただけで、えーーーーーーっ、もう1000円! バナナが一本100円! もともとマレーシアとは物価の水準が違いすぎるので、単純に比べてはいけないのだろうが、マジでクアラルンプールの5〜7倍だ。なんとか3日間生き延びようと工面する。 日中摂氏17度。寒い。道行く人々は皆、長袖どころか、セーターは着ている、コートも着ている。 「誰だ? 7月のロンドンは半袖でもいいなんて言ったのは!?」 とは、半袖しか持っていないクマさんのつぶやき。仕方なくマークスアンドスペンサーに駆け込んでジャケットを買う。現金の不足が予想されたのでクレジットカードで。とほほ。 14日はロンドン歩け歩け大会。お金がかからない。それとせっかくだからミュージカル「オペラ座の怪人」を鑑賞。もちろん安いマチーネで。15日はイングランド南西部のストーンヘンジとバースを巡るバスツアーに飛び入りで参加。これで一日安心して遊べる。 前置きが長くなったが、今回はロンドンの南西、ストーンヘンジとその周辺にまつわるお話。 |
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| 謎に包まれた古代の環状巨石群、ストーンヘンジは、小高い丘がちょこちょこ見えて、見渡す限り麦畑や牧草地の平原のど真ん中をバスで通っていると、いきなりぼん!
と車窓に現れる。あら、でかい〜〜〜。日本語が達者なイギリス人女性ガイドさんが説明してくれる。 「お寺だったかも、しれません。 天文台だったかも、しれません。 だれか、しりません」 最後はたぶん、「だれ【も】しりません」のつもりなんだろう。でも流暢だ。「しれません」と「しりません」を使い分けられるなんてすごい。 この先史時代の遺跡の保存に努めているのが、 English Heritage (イングリッシュ・ヘリテージ)という名の機関。巨石群入り口のそばに、古ぼけたその機関の看板を見つけた。 縦にふたつ、イラストが並んでいる。上のイラストでは、巨石群のまわりに緑の草原以外何もない広々とした風景。下のそれは、巨石群のすぐそばに、今バスで通ってきた道路が一本走っている。 ぱっと見て、上がず〜っと昔、下が最近の図なんだろうな、と思った。ところが説明を読んでみてびっくり。上の何もないのが「未来の構想図」、下が「現在の実情」。逆だ。 つまり、『先史時代の遺物のある風景に、過去の人々が道路を建設するなどして、交通の便は良くなりましたが遺物そのものは破壊される一方です。道路を潰して元のように何もない広々とした平原に戻しましょう。もちろん遺跡見学に来るには交通の便は悪くなります。でも、遠くから歩いて来ることによって、見物の混雑は減るはずです』という理屈らしい。 より古く大切なものを守るために、先人が作ってくれた便利さをわざわざ排除しようとするこの発想。こころの豊かな国だ。 |
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| ストーンヘンジからバースに向かうバスの中。例のガイドさんの日本語が面白い。きっと自分が喋る拙い英語をネイティヴが聞いたらこんな風に(それ以上にこっけいに)聞こえてるんだろうな〜と思いながら、興味深く耳を傾ける。 「ヘンリー8世は、つま、いつつもっていました。そのうち、つま、ふたつ、くびきりにされました」 ― あ〜、鉛筆や鳥や人間で、にほん、にわ、ふたり、なんて使い分ける日本語って複雑 ― 「夕方、ロンドンに帰ったら、いま『わりびきぜい』のじきですから、デパートにいくのもよいでしょう」 ― ふむ、『バーゲン』時期のことだな ― 「ここには、『おこめばたけ』もあります」 ― へ〜、『田んぼ』があるんだ〜。 お、そうか、 rice field のそのまんま訳か〜♪ ― 「みなさん、みぎてに、『なのはなばたけ』です」 ― ふんふん、菜の花…… え?! えええ〜〜〜〜〜〜、ホントに菜の花だ!いちめんの! 7月に! 夏に! 夏なのに! 今、ロンドンが17度だもの、よく考えれば不思議はない。ここでは菜の花は「春の花」でなくて「夏の花」なのだ。ということは、「いちご」のとれる季節は……? ここで私、3年前にやはりイギリスはケンブリッジで会った、あるカナダ人女性の顔を思い出していた。彼女が 「いちごは夏の果物で……」と主張したところ、私を含む日本人7人組でよってたかって 「ちがう! いちごは春の果物に決まっている!」と迫り倒し、多数決で無理やりそれなる結論に持っていってしまったのであった。 身に覚えのある他6人の方々とともに、ここに悔い改めよう。7月のイギリスの気候について、あまりにも知らなさ過ぎたゆえの過ち。 |
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| へ……へっくしょん! 何度かくしゃみを連発しつつ、さむ〜いイギリスからあつ〜いマレーシアに舞い戻ってきた。ここも私にとっては「異国」のはずなのに、空港からタクシーに乗ってコンドミニアムが見えてきた時、 「あ〜、『帰って』きちゃった」と、 なんとなくつまらない気分になっていた。「慣れ」とはおそろしい。 |
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