|
|
||
| 2003.07.27 |
| あれ以来、事件のあった近辺を通るたびにバイク二人乗りの顔を観察するが、やっぱりいるいる。すきあらば何かやらかそうともくろんでいそうな顔が。見るからに善良そうな顔ももちろんいるのが救いではあるが。 ここ数か月というもの、SARSの影響で観光客が減り、観光客狙いの詐欺事件などは一時ほど聞かれなくなった一方で、拉致、暴行、殺人、ひったくり、強盗などの犯罪の件数が異様に増えている。各方面から注意を促す情報が毎日のように入る。 2か月ほど前から、ポリスがいっせいに海賊版CDやビデオCDなどの徹底検挙を行っている。この国の海賊版産業はそれはそれは大規模で、一般市民も罪の意識なくほいほい購入するのが常だったのに、いまや、チャイナタウンの露店街でもCD屋さんが軒並み店をたたんでしまった。これによって職を失った人が相当な数にのぼり、それを犯罪増加の一因とする説もある。これほどの成果を生んだ検挙を行っているポリスが、他まで手が回らないのも事実だろう。 SARSも収束したことだし、観光収入の復興を目指す政府は12月末までの期間限定で、レストランやカフェでの飲食税(5%)の免除を施行している。これにより、痛みを被るのは公務員。ポリスもますます「やってらんないよ〜」なのだろうな。 |
||
| 事件の二日後、クリーニング屋さんでおばちゃんに 「伝票、なくしちゃった」(実は盗られたバッグの中) 「あらそう、いいわよ。お名前なんだったっけ? んまぁ! あ〜た! ど〜したの、その手の傷っ!!!」 「うん……、ころんじゃって」 「どこで?」 「路上で。KLCCのそば」 「まさかあ〜た、ひったくり じゃないでしょーねっ!?」 「ん……、そのまさかなんだけど」 「おぉ、神様……」 (このチャイニーズのおばちゃん、クリスチャンらしい) 次の瞬間には、おばちゃんの機関銃攻撃が始まっていた。 「あたしの友達もSS2の屋台でお金払おうとお財布を手に持ってたら後ろから手が伸びてきてひったくられたのよ! でもね、ひったくった女がヘマやって、お財布がぽ〜〜〜〜んと空中を飛んで、近くの車の下に入り込んじゃったの。それを追っかけたその女、自分で転んで怪我したのよ。はっはっは〜!」 「ま〜それはよかったんだけど、別の人の場合はね、バイクにかばんを掴まれたときに、自分の手首にかかってた傘の柄がバイクのどっかにひっかかっちゃって、振り放そうともがいても取れなくって、悲鳴をあげながら数十メートル引きずられちゃったのよ!大怪我よ! 周囲の人もただ見てるだけで何にも出来ないのよ!」 「それからあ〜た、バンサーショッピングセンターの事件知ってる? 駐車場で若い女性が拉致されて焼死体で見つかったあれ。このごろは凶悪なのが多いわよね〜。道歩いててもこわいわよ。BMWからだって手が伸びてくるのよ。プロトン(マレーシアの国産車)じゃないのよ。BMWからよ! あたしもこんな金のネックレスつけてるけど、こういうのだってどっかから手が伸びてきて引きちぎられちゃうかもしれないのよ! あたしはカードと現金と鍵はズボンの両方のポッケの中よ! ほら、ほら!」 言いながら、びよよ〜〜〜〜んと伸びるポッケの中味を全部見せてくれた。ほう、これはいい! 「ナイス・ストレッチ・パンツ!」(ほめたつもり) 「そ〜でしょ、でしょ♪」(ゴキゲン) 二日後、コンドミニアムのエレベーターで、住人と思われる、知らないチャイニーズの女性に声をかけられた。 「あなた、その傷……、もしかして、KLCCで転んだっていう日本人?」 「!?! は、はい、そうです」 「その後いかが?」 「あ〜、もう大丈夫です」 「そう、気をつけてね」 ……、おばちゃんの、おしゃべりめ。 |
||
| しかしおばちゃんのヒントで「新・お出かけスタイル」が出来た。 パンツのベルト通しにキーチェーンを取り付けて、家の鍵はそのまま右ポッケへ。同じく右ポッケに コンドの入り口のアクセスカード バスと電車のプリペイドカード 再発行してもらった運転免許証(身分証明) 現金20リンギ これらを薄っぺらいビニールケースにまとめて入れることにした。これだけあれば、いざという時にはコンドまでどうにかして帰って来られる。 新しく買った携帯は、以前のよりもふたまわりもミニタイプ。これを左ポッケへ。 この左右ポッケセットをお出かけ時以外は所定の箱の中に保管することにした。バッグの中身は現金入りの財布とはんかちとティッシュだけ。引っぱられたらいつでも惜しみなくくれてあげましょう。 |
||
| 不気味な話もある。 事件から3週間後、外出先から帰ってきたら、コンドの守衛さんに呼び止められた。 「これが届いてますよ」 渡してくれたのは、なんと、盗られたバッグの中に入っていたカード類の束。写真付のコンドの住人カード(もちろん住所が書いてある)を一番上に、免許証、美容院のカードなど、お金にならないカードばかりが数枚、輪ゴムで束ねられている。 「届けに来た人です」 守衛さんがくれた紙には、男性の名前と携帯電話番号が書いてあった。守衛さんには礼を言って受け取った。 しかしなんだか気持ち悪い。どこかで捨てられていたのを拾って親切に届けてくれた善良な人だと信じたい。しかし、そうでない可能性も排除しきれない。名前なんていくらでも嘘がつけるし、携帯電話だって複数持つことも可能だ。もし、犯罪者の一味で、親切な人を装って、この日本人が実際に現住所に住んでいるのかどうかを確認しに来たのだとしたらどうする? 電話は、しないことにした。 届いたカードのうち、お買い物に使うポイントカードのみ財布に戻し、コンドの住人カードなどはもう持ち歩かないようにしよう……。 ん? 「珈琲豆と茶葉」とか「スターバックス」のスタンプカードが戻ってない! 犯人め、私がせっせとためたスタンプで珈琲一杯飲んだのだろうか。だとしたら、これが一番くやしいぞぉーーーーー。 |
||
| さて、保険編。 クマさんの会社でかけてくれている駐在員とその家族の保険で怪我の治療費がカバーされた。携行品のカバーは契約になかったので一度はきれいさっぱりあきらめた。 が、やっぱり私はラッキーなのだ。アメックスに自動付帯される海外旅行保険で携行品のカバーがあるという。出国後90日以内の事故ならOKのようだ。一番最近一時帰国したのが今年5月なので、ばっちりである。 というわけで、現在、アメックスからの申請書類待ち。出かけるときは忘れても、あとで気がつきゃばんばんざい。 でもホントはこんなのにお世話にならないのが一番いい。明日も出かけるが、常に四方に目を配るようにしよう。 ― 四方だけじゃ、だめですよ。 上からだって何かが落ちてくるかもしれないし、 下にだって穴があるかもしれないですよ ― (クマ) |
||
エッセイメニューに戻る Copyright (C) 2003-2008 nansei. All Rights Reserved. |
||