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18 え? クレジットカードが!

クアラルンプール マレーシア

2002.12.01





 クレジット支払いのネット通販を利用して本やCDを買っている。

 アメリカのミュージシャン「J さん」のオフィシャルサイトには、リンクされているCDショップが2件ある。それぞれ、テキサス店、オレゴン店としておこう。



前奏曲

 6月、初めてテキサス店で J さんのCDを一枚注文した。注文画面で「請求先住所」と「商品送付先住所」の両方を現在のマレーシアの住所で打ち込んで次の手順に行こうとしたら、突然、それまで入力した情報が全部はじき返されてしまった。正確には覚えていないが、画面に出た内容は、

「この国のクレジットカードは信用度が低いのでお客様はお買い物が出来ません」

!!なにぃ〜〜〜〜〜〜!?
ニッポン発行のカードなのにぃ〜〜〜〜〜!!!

 そこで思い直して、ひとつ前の画面に戻り、「請求先住所」を日本の実家、「商品送付先住所」をマレーシアにしてみたら、今度はOK! 問題なくカード番号を打ち込み、手続きを済ませると、ただちに「ご注文確認メール」が来て6時間後に出荷通知が来た。

 よしよし。商品到着まで約10日。



第一楽章

 10月。また J さんのCDが欲しくなる。この時期、オフィシャルサイトのトップページにリンクされていたのがオレゴン店だったのでそっちに行ってみた。前回のテキサス店での経験を生かし、今度は初めから「請求先住所」を日本、「商品送付先住所」をマレーシアにして滞りなく手続きを終えた。ただちに先方のシステムから、「ご注文確認メール」が自動的に返送されてきた。24時間以内に出荷されるらしい。

 ところが。

 待てど暮らせど出荷通知が来ない。一週間待ったところでさすがに「変だ」と思い、店に問い合わせのメールを出した。

 さらに待つこと一週間。問い合わせメールに返信すらしてこない。出荷せず、請求もしないのならそれはそれでよいが、なにぶんクレジット番号を先方に知られているだけに不安になる。

 そこで、ワラにもすがる思いで、J さんのオフィシャルサイトのウェブマスターさんにメールを出してみた。

「お宅様のサイトにリンクされているオレゴン店で J さんのCDを注文しましたが、2週間経っても出荷してこないばかりか、問い合わせメールに返信もありません。ここは信用できるお店なんでしょうか? 彼らに出荷の意思があるのかどうか、聞いてみてもらえませんか?」

 2時間後、ウェブマスターであり、J さんの作品のアートワークを担当している女性 K さんから返事が来た。

「すぐオレゴン店に確認して、事実関係がわかったらご連絡します。この店は問題ないはずなんですけど」

 そして待つこと3日。K さんがオレゴン店の言い分を転送してくれた。注文から17日経過。

(オレゴン店から K さんへ)
「いくら探しても、当該注文が見つかりません。注文受付システムが、この注文を自動的にはじいてしまったようです。当方も初めてのことです。

このようなことは、銀行に問題があったり、クレジット詐欺が多発する国からの注文の場合に発生するようです。銀行からのレスポンスに大変時間がかかり、請求金額を回収できない状況があるそうです。残念ながらマレーシアはそういう国のひとつです。

これはむしろ、我々の取引銀行と、向こうの国の銀行との間の問題で、我々にはどうすることも出来ません。よって安全策をとり、そのような国からの注文はシステム上に残らないしくみになっているようです。注文確認メールが先方に届いてしまったのは何かのミスでしょう。

このお客様(私のこと)が直接当店と連絡を取るつもりがおありなら、そのように伝えてください」

 んな、アホな……。
確かにこの国は、銀行といえど、その対応には首をかしげざるを得ないところはある。カードのスキミング被害も多い。偽造も多い。しかし、だからといってなぜこの善良な住民がとばっちりを受けるのだ!?

 そこで、オレゴン店へ私から直接返信。

「オレゴン店さんへ。おっしゃることはよくわかりました。注文はあきらめます。しかし、お伝えしておくべきことが2点あります。

第一に、私は貴店と直接連絡を取る用意がありました。私が貴店に問い合わせメールを出した(証拠引用)時点で、直ちに調査し、結果を私に知らせてくださるべきでした。貴店の迅速かつ適切な対応がなかったので、K さんに仲介をお願いしたのです。

第二に、私はマレーシアに住む日本人で、私のカードは日本で発行され、銀行口座は東京にあります。ごらんの通り「請求先住所」を日本の住所にしてあります。貴店がおっしゃるような代金回収の問題はないはずです」



第二楽章

 ほとぼりがさめた頃、前に問題のなかったテキサス店で注文することにした。前例のように、「請求先住所」を日本、「商品送付先住所」をマレーシアにして滞りなく手続きを終え、「ご注文確認メール」も来た。ここは出荷が早いはずだ。

 と、思ったが。

 なんでだ。出荷通知が来ない。

 とりあえず一週間だけ待って問い合わせメールを出した。(やな予感) 念のために、私がテキサス店で購入履歴がある優良顧客であることを以前の注文番号とともに伝え、また請求先住所と送付先住所が異なる理由も書き添えた。

 さらに一週間。問い合わせメールに返信がない。

 督促メールを書く。(かなしい)
メールの重要度を「高」に設定して送信。

 もう期待もしていなかったが、1時間後にマグラスという担当さんから返事が来た。たったの1行。

「今日出荷します。遅れてすんません」

あれま。
この2週間はいったいなんだったのよ。



第三楽章

 9日後、テキサス店から商品が届いた。同封された「送り状」を確認すると、大きく "REPRINT"(再発行)としてある。再発行理由として

「この注文は適切です。出荷せよ。マグラス」とある。

 ということは。
 受注直後にコンピューターから排出されたオリジナルの送り状があったはずだが、店側がこの注文を「不適切」とみなしたために破棄されて、そのまま2週間放っておかれたというわけだ。

 なんてことだ。

「マグラスさんへ
商品受け取りました。ありがとうございます。将来的な注文のためにお聞きしますが、私の注文が最初『不適切』とみなされたのは何故なんでしょうか?」

「お客様へ
商品送付先住所が、請求先住所と著しく違う注文は、時に疑わしい場合があります。当店としては慎重に対処し、このために遅くなりました。申し訳ありませんでした」

 ……かといって、請求先住所をマレーシアにしたら、「前奏曲」に戻って、それだけで注文がはじかれてしまう。日本で通販を利用していた頃には思いもよらなかった。アメリカの店がこんな対応に出るほどに、この国の金融は信用がないんだな。ここに住んでいる限り、新規のネット通販は利用できないか、もし利用できたとしても、労力と時間がかかるか、あるいは商品送付先も日本の住所にしてそこから転送してもらうしか方法がないってことだ。

 めんどくさ。



最終楽章

 やっとこさ、J さんのCDを聞いている。
 
 第一楽章から1か月以上も過ぎた。お世話になったウェブマスターの K さんに、お礼がてら経過報告のメールを送った。

 そしたらなんとその日のうちに、彼女を通して J さん本人からメッセージが届いた。

― ロイヤルファンでいてくれて、ありがとうよ! J ―

 ……。
 …………。
 ………………。

ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜うれしっ♪




☆日本にいた頃から利用しているアメリカの大手オンラインショップでは、本文のようなトラブルはなく、現在も利用しています。


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最終更新:2005.04.10
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