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09 イスラム式トイレ

クアラルンプール マレーシア

2001.12.01





 人間の営みの最たる重要な部分なのに、なぜか文献などを見てもここぞという真理がオブラートにくるまれているのがこの話題。イスラム式トイレについてはここに来る前から関心事のひとつであった。

 典型的なイスラム式トイレは、和式の形から前の半球状の部分を取り去ったプレーンなもの。「しゃがむ」という形態では和式と同じ。違うのは、「(体の)洗浄のための水の設備」の有無。つまりイスラム教徒は、用を足した後は必ず、水を使って体を(っつっても、一部分ですよ、念のため)洗う習慣があるので、トイレもそれなりの設備を備えているわけだ。

 現在の日本だと、なんのことはない、ウォシュレットのことなんだが、「水できれいにする」というやり方では、イスラム世界の方がずっと歴史が古いわけだ。設備が近代的かどうかはまた別の話。

 昔のイスラム式トイレでは「桶にひしゃく」だったようだ。現在では、個室の壁に蛇口があり、そこに1メートルほどのホースがついている。ホースの先は、切りっぱなしタイプもあれば、金属の小さなシャワー口がついているのもある。彼らはこのホースを右手に持つ(らしい)。洗浄に使う左手は「不浄の手」。

 この、浄・不浄の概念は多分に観念的なものであって、不浄とされている部分が必ずしも汚れているというわけではない。イスラム式トイレにしたって、皆が皆、本当に左手を使って洗浄しているのかどうかなんて、誰ぞ知る? ホースを使うのにそれなりの技術を身につければ、左手を使わなくても済むかもしれないもの。

 それはさておいといて、浄・不浄の概念は、物を直接手で食べる時、人に物を渡す時、受け取る時などに必ず右手を使うことで確実に現れている。私など、店のレジでお釣りを受け取る時に無意識に左手を出してしまうことがあるが、極力気をつけなくちゃと思う。外国人だからってことで大目に見てくれているのだろうけれど。

 話をトイレの形態に戻すと、洋式トイレもかなり普及しているが、その個室の壁にはやはりホースつき蛇口のある所が多い。先日、あるショッピングセンターの洋式トイレで見たのは日本のウォシュレットに近いタイプ。おなじみの伸縮移動するノズルのかわりに金属製シャワー口が固定されていて、それを操作する水栓がその個室の壁についていた。

 ちなみに、イスラム式トイレには紙はない。外国人の出入りの多い空港やデパートなどでは置いてある所もあるが、それも個室に常設している場合と、個室の外に一か所だけ巨大なロールを設置してある場合とがあり、後者など、入る前に気をつけていないと、あとで「紙がない〜〜〜〜」と慌てることになる。こっちに来て、持ち歩くポケットティッシュの量が増えたのはそのせいである。

 イスラムびとは、もともと紙を使う習慣がないから、「それを流す」という概念もない。よって、(イスラム以外の人々が)紙を使ったら、本当は個室に備え付けてあるダストボックスに捨てなければならない(らしいよ)。そうは言ってもダストボックスがない所もあるので、大多数は流しちゃっているんだろうな。

 ここで、随分長い間、疑問に思っていたことがある。
「イスラムの人々は、水できれいにした後、一体どうしているのだろうか? 乾くまで、個室でじっとしているのかしらん?」

 こんなこと、文献探しても書いてないのだ。
 いったい誰に聞けばいいの?
 もしかしたら、永遠に解けない謎かもしれない。

 しかし、ある日ふと気がついた。「水を使う イコール 濡れる」とい発想自体が、俗日本人的なのではないかしら? 水できれいにするという歴史は彼らにとっては実に長いのだ。きっと、水を使ってかつ、余分に濡らさない方法、手段、技術を彼らは持っているに違いない。


 ** 仮の結論 *************

 体が濡れないようにするコツがあります。
 最小限の水を使って汚れのみを洗い落とせば
 その他の部分を濡らすことはありません。

 ********************


 もし我々が、水を使って紙を使わない正統派イスラムびとのやり方を真似しようとすれば、修練が必要だろう。日本のウォシュレットでも、水圧調整とそれを使う人間のスキルのバランスがばっちり取れれば、紙なんて要らなくなるのかもしれない。(かな?)

 ん〜、だとしたら、なんてエコロジカルかつエコノミカルなのだろう。

イスラム式トイレ

きれいなショッピングセンターの
きれいなイスラム式トイレです。


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